タックスプランニングについて
FP2級試験の「タックスプランニング」分野は、個人や家庭が税金を効率的に管理し、合法的に節税するための知識とスキルを習得することを目的としています。この分野では、主に以下の内容が取り扱われます。
まず、所得税の基本について学びます。所得税は個人の所得に対して課される税金であり、給与所得、事業所得、不動産所得、配当所得、譲渡所得など、さまざまな種類の所得があります。それぞれの所得の計算方法、必要経費の控除、所得控除、税額控除について理解することが重要です。特に、扶養控除、配偶者控除、医療費控除、寄附金控除などの控除項目について詳細に学びます。
次に、住民税についても学習します。住民税は、所得税とは異なり、地方自治体に納める税金です。住民税の計算方法や納付方法、特別徴収と普通徴収の違いについて理解します。また、住民税の軽減措置や減免制度についても学びます。
さらに、相続税・贈与税についても重要なテーマです。相続税は、遺産を相続した際に課される税金であり、贈与税は生前に財産を贈与した際に課される税金です。これらの税金の計算方法や控除項目、納税の手続きについて理解します。特に、生前贈与を活用した相続税対策や、小規模宅地等の特例、相続時精算課税制度について詳しく学びます。
また、法人税や消費税についても基本的な知識を習得します。法人税は企業の所得に対して課される税金であり、消費税は商品やサービスの購入時に課される税金です。これらの税金の仕組みや納税の方法、適用除外や特例措置について理解します。
税制改正や最新の税法についても学ぶことが求められます。税制は頻繁に改正されるため、最新の情報を常に把握し、適切に対応することが重要です。税制改正による影響や対応策についても学習します。
これらの知識とスキルを身につけることで、FP2級の受験者は個人や家庭に対して、具体的で実践的なタックスプランニングのアドバイスを提供できるようになります。適切な税務対策を行うことで、資産を守り、経済的な安定を図ることが可能となります。
学科試験範囲
1.わが国の税制
2.所得税の仕組み
3.各種所得の内容
4.損益通算
5.所得控除
6.税額控除
7.所得税の申告と納付
8.個人住民税
9.個人事業税
10.法人税
11.法人住民税
12.法人事業税
13.消費税
14.会社、役員間および会社間の税務
15.決算書と法人税申告書
16.諸外国の税制度
17.タックスプランニングの最新の動向
ファイナンシャルプランナー2級の試験
受験資格 |
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FP2級には受験資格が必要となります。条件は3種類あり、下記いずれかに該当している必要があります。 ① AFP認定研修を修了していること ② FP3級に合格していること ③ 2年以上のFP業務の実務経験があること ④ 厚生労働省認定金融渉外技能審査3級合格者であること 上記4種類の該当項目のうち、一番ハードルが高いのが③「2年以上のFP業務の実務経験があること」ですが、最短での取得を目指すならば②「FP3級に合格していること」をクリアしてから挑戦することもお勧めです。 |
試験内容 |
FP2級の場合で説明すると、出題形式はマークシートで行われ、4択問題が60問出題されます。6割以上正解で合格です。 日本FP協会の実技試験では、「資産設計提案業務」に関する問題が40問出題され、こちらも 6割以上正解で合格です。 出題科目は以下の6項目からの出題となり、FP2級と3級は共通の項目となります。 ①「ライフプランニングと資金計画」 ②「リスク管理」 ③「金融資産運用設計」 ④「タックスプランニング」 ⑤「不動産」 ⑥「相続・事業承継」 |
難易度・合格率 |
日本FP協会に限った場合の合格率は、平均で言うとFP2級の学科が約40%、実技は約50%です。なお FP3級だと、学科が70~80%、実技は80~90%ほどです。 日本FP協会の試験は、個人申込の受検者が多いため、実技試験ではオーソドックスな出題が多いため、合格率がやや高めな点は資格として魅力的と言えるでしょう。 |